はてな君
どうしよう…法律が初心者でわからないことだらけ。
【権利能力・意思能力・行為能力】てなに?
いずみん
【権利能力・意思能力・行為能力】は、法律を学ぶときによく出てくる用語だよ。
直接問題として出題されるというよりは民法を理解するにあたり必要な事項なので、ぜひ参考にしてね!
民法上(法令上)の能力は、ある事柄に関して、
法律上必要とされる地位、または特定の事柄をなしうる資格をいいます。
具体的には権利能力、行為能力、意思能力等があります。
フクナビ宅建独学ブログの【いずみん】が、権利能力・行為能力・意思能力についてわかりやすく解説していきます。
宅建独学で受かった人が解説!【権利能力・意思能力・行為能力】とは?
はてな君
この【権利能力・意思能力・行為能力】って重要なんだよね?
いずみん
そうだね。
この【権利能力・意思能力・行為能力】は権利を取得できるか・判断できるか・一人でできるかみたいな感じだよ。
フクナビ宅建独学が解説! #権利能力 とは?
いずみん
権利能力を有する者のことを、自然人・法人とよぶ。覚えてね!
【権利能力】 権利を取得したり、義務を負ったりすることのできる地位・資格。
【権利能力の種類】
- 自然人(しぜんじん) 出生することで権利能力を取得し、死亡することで権利能力を失う。
- 法人(会社や組合) 登記することで権利能力を取得し、解散することで権利能力を失う。
フクナビ宅建独学が解説! #権利を帰属 とは?
はてな君
効果の帰属?難しい言葉!
いずみん
権利や義務は誰のもの?ということだよ。
土地や建物を所有する権利、借金を負う義務、損害賠償を受ける権利など、
法律上の権利・義務は、すべて【権利能力】を有する者に帰属する。
このように、契約に有効に交わしたり、何かを請求したりできる権利を有することをいう。
【権利能力】がないと、所有権者や、債権者になれない。
石ころや蝶々が所有者となる資格、なんてないよね。
フクナビ宅建独学が解説! #胎児の権利能力 とは?
はてな君
生まれる前の赤ちゃんはこの権利能力を持っているの?
いずみん
はてな君、鋭い質問!
出生前なので胎児に権利能力はないというのが原則。例外も含めて以下で説明するよ。
胎児は、原則として【権利能力】を有しない。
つまり、生まれていない間は、法律上の権利・義務の主体となることができない。
しかし、民法では、胎児を保護するために、
以下の3つ(相続・遺贈・不法行為に基づく損害賠償請求)の内容については、
すでに生まれたものとみなし(前提)て、1人の人(権利能力者)として扱う。
いずみん
みなすとは、事実がどうであるかに関わらず
問答無用でその事実があったものとして取り扱うこと。
これに対し【推定する】とある場合は、
一応その事実を真実と考えるが
それが真実ではないことが証明されると
その事実は認められないことだよ。
はてな君
胎児も相続はできるんだね!
いずみん
胎児も相続はできる。
でも1つ注意があるよ!胎児が無事に生まれてきたら、その効果が出生にさかのぼって効力を有する、つまり死産であれば権利能力はないということになるの。
胎児の【権利能力】は、胎児を保護するために重要なもの。
例えば、父親の死亡が、出生前の胎児か出生翌日なのかによって
「相続も請求もできない」ということになると
出生して生活していく上でも、経済的支えが全くないということになってしまう。
原則通りに考えれば、胎児は【権利能力】がないので
相続や損害賠償の対象にならないのも当然ということになる。
しかし、胎児にとって不利益となる場合があることを考えれば
民法で胎児の【権利能力】を認めたことは、とても合理的な考え方となる。
フクナビ宅建独学が解説! #意思能力 とは?
はてな君
意思能力って何?
いずみん
意思能力は、先に学んだ権利能力を有する人が
自分のした法律行為を認識することができるかどうかのことをいうんだよ。
【意思能力】がある人は、法律行為をする際に、
その行為の意味や結果を理解して、自分の意志で判断することをいう。
しかし、①年齢や病気などにより、意思能力がない人は、法律行為をする際に
その行為の意味や結果を理解したり、自分の意志で判断したりすることができない。
このような人①がした法律行為を、意思無能力者による法律行為といい、無効となる。
意思無能力者の例としては、以下のようなものが挙げられる。
- 未成年者(3歳未満の乳幼児・7-8歳以下の児童も意思能力ないとされる場合あり)
- 重度の精神障害者
- 泥酔者
フクナビ宅建独学が解説! #意思能力 とは?
はてな君
意思能力の効力?
いずみん
意思能力がない人がした行為は効力の発生があるのかどうかということだよ。
意思無能力者による法律行為は、無効となる。
無効となった法律行為は、初めから存在しなかったものとみなされる。
そのため、意思無能力者による法律行為に基づいてされた請求や、給付などは、すべて無効となる。
フクナビ宅建独学が解説! #行為能力 とは?
はてな君
今度は行為能力?また難しそう…
いずみん
大丈夫!一緒に学んでいこうね!
行為能力とは、単独で完全に有効な法律行為を
することができる能力のこと。
具体例など、以下で説明するよ。
フクナビ宅建独学が解説! #行為能力 とは?詳しい具体例で簡単解説!
はてな君
3つめはなんの能力?
いずみん
実際に法律行為をする行動みたいなイメージかな。
行為能力の行為とは、例えば、契約を結ぶ、遺言をする、不動産を売買する
といったことを指す。
つまり、【行為能力】がある人は、自分の意思でこれらの法律行為をすることができ
その法律行為は、原則として無条件で有効となる。
【行為能力】は、原則として、成年者(18歳以上)が有することになる。
成年者は、自分の意思で法律行為をすることができるので、その法律行為は
原則として無条件で有効となる。
ただし、未成年者や精神障害者などの制限行為能力者は
法律行為の当事者となることができるものの,その法律行為の効力は、一定の制限を受ける。
いずみん
【行為能力】は、法律行為の有効性を判断する上で重要な要素。法律行為を行う際には、行為能力を十分に理解しよう!